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ラグビーゲームの基本的な考え方

WORLD RUGBYは、ラグビーの基本原則を定めるラグビー憲章(Playing Charter)を制定している。この憲章は、すべての協会に原案を示しコメントをする機会を与えた後に承認されたものであり、「ラグビーとは何か」を説明する競技規則を補う重要な性格を担うものである。

コーチはこのラグビー憲章を理解し、これに照らし合わせて指導しなければならない。

ラグビー憲章は競技規則の冒頭に掲載されている。

 

ラグビーゲームを形づくる基本要素

実際にゲームをプレーするという視点でラグビーを考える際、相手やコンディションといった変動する要素を除くと、ラグビーゲームには以下の三要素があり、これらに関する明確な理解がなくして上質なゲームはとうてい望めない。

 

1 ボール

すべての球技と同様に、ゲームをする上でボールが最重要の関心でなければならない。それは、ボールのみが得点を可能にするからである。従って、ボールこそがゲームの中心であるという考え方を、プレーヤーはしっかりと理解しなくてはならない。

 

2 競技規則

いかなる球技も、競技の約束(競技規則)がなければゲームは形成されない。競技規則が攻防におけるプレーの可能性や限界を規定する拠り所である。ラグビーの競技規則は、安全性(Safety)と公正さ(Faimess)を基礎としている。また、常にボールが自チームの前にある状況でボールの争奪とプレーの継続が奪われるのは、ラグビーの独自性である。

 

3 グラウンド(広さ)

グラウンドはゲームを展開する空間要素であり、競技規則に規定された一定の広さを持つ。攻撃する側にとって、相手プレーヤーが稼働障壁であるのに対して、タッチラインは不動障壁であり、防御する側にとっては絶対的な防御者になりうる。

 

攻防の目的と指導の方向性

ゲームの目的は、ノーサイドの笛が吹かれたときに、相手よりも多く得点をあげていることである。「より多くの得点をあげる」という目的を達成するためには、攻撃権を得て、ボールを前進させなければならない。ボールを前進させるためには、ボールを持ってのランニングやキック、あるいはドライビングモール、スクラムを押すなどがあるが、「JRFUコーチングの指針」においては、「ボールをスペースに向かって前進させる」ことを特に重要視する。

 

1 ボールの争奪

ゲームではボールの争奪が最初にあり、ボールを獲得した側が攻撃、獲得できなかった側が防御となる。

 

2 攻撃の目的

攻撃の最終的な目的は、得点(特にトライ)を上げることである。その目的を達成させるために、下記の点に留意して指導を行う。

・ボールを持ってスペースへ前進すること

・ボールを前進させるために有効なスペースにボールを運ぶこと

・ボールキャリーをサポートすること

・ボールを失わないで攻撃を継続すること

 

3 防御の目的

防御の最終的な目的は、相手の攻撃権すなわちボールを奪い返し、攻撃権を得ることである。その目的を達成するために、下記の点に留意して指導を行う。

・相手に時間的・空間的な余裕を与えないこと

・継続的かつ執拗に防御し続け、攻撃権を奪い返すこと

 

 

 

 

 

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