中学生年代のコーチの皆さまへ
近年、ラグビーに限らず、全てのスポーツにおいて、指導者の役割というのは多様化し、その責任も増大し続けています。そのため、指導者に求められる知識、スキル、経験等は高くなり且つ広がっています。だからこそ、皆さんが、より多くの方々とオープンで有意義な対話ができる「コーチのための学習環境」を作っていきたいと思います。
JRFUとしての一貫指導の考えは、「JRFUコーチング指針」およびWorld Rugbyの考えに沿っています。そのため、まず、共通言語として本ホームページ内にある「JRFUコーチングの指針」およびWorld Rugbyのコンテンツを理解した上で、指導に励んでください。自分のプレーヤーとしての経験値からだけでなく、しっかりとプレーの原則やコーチングの原則を理解した上で、学んでいきましょう。もちろん、コーチングに唯一の正解はありません。だからこそ、皆さんが、より多く方々とオープンで有意義な対話をできるような「コーチのための学びの環境」を作っていきたいと思います。
中学生年代の選手の皆さんへ
「基本は大事」この言葉は、みんなにとって、おそらく聞き慣れた言葉でしょう。しかし、なぜ、基本が大事なのかを考えたことがありますか?中学・高校ラグビーに限らず、大学、トップリーグはもちろん日本代表、南半球のスーパーラグビーにおいても、試合の勝敗を決定づけるプレーの約80%が基本プレーなのです。
練習では問題なくできている華麗なパスやキックが、ゲームの勝負どころでは、全くのド素人のようなプレーに変化してしまうことが起こるのです。これがラグビーというスポーツの大きな特徴です。
だからこそ、選手であるみなさん自身が「基本プレーができる」という意味を改めて見つめましょう。例えば、後半の最も疲労した状況で普段のパスやタックルはできるのか? 逆転の大チャンスもしくは大ピンチのプレッシャーの中で果たして、正確なキックやスローイングはできるのか? 練習では、常に試合より高い負荷を想定しながら、基本プレーの安定に向けて努力してください。
具体的には、「コーチの指針」にある目指すべき「プレーヤー像」に向けて、World Rugbyのコーチングコンテンツを参考に、ラグビー選手としの基礎・基本のレベルをグローバルスタンダードなレベルに向上させることを目指して下さい。
これを読んでいるみなさんが、将来の日本ラグビーの主役となって、ワールドカップで活躍されることを期待しています。
指導の大きなテーマ
・「ラグビーが好きでたまらない」というプレーヤーを育てましょう。
・ゲームをエンジョイできるプレーヤーを育てましょう。
・安全にラグビーが出来るスキルを指導しましょう。(参考資料:安全推進情対策、U15ジュニアラグビー安全競技基準)
・上手になりたいと思い、そのために自ら挑戦し、努力するプレーヤーを育てましょう。
・勝つために考え、工夫できるプレーヤーを育てましょう。
・自らの思考と判断にもとづいてプレーし、自らのプレーの結果に責任を持つプレーヤーを育てましょう。
・自主性、主体性をもってプレーするプレーヤーを育てましょう。
・コミュニケーション能力の高いプレーヤーを育てましょう。
・ラグビーのコアバリューを理解したプレーヤーを育てましょう。
・「コーチングの指針」にある【世界で戦うためのプレーヤー像】に向けて長期的視点をもって指導のアプローチをしましょう。
・「コーチングの指針」にある【JAPANを支えるカギ】を理解し長期的視点をもって指導のアプローチをしましょう。
・ラグビーにおける個人の能力や参加レベルを最大限に伸ばしていけるように長期的強化アプローチをしましょう。
・各年代の精神的特徴、身体的特徴を理解して指導にあたりましょう。(参考資料:WR長期プレーヤー強化、ジュニアラグビーの指導の手引き)
プレーの原則のテーマ
・小学生年代で身につけたプレーの原則をフルフィールドの中で「より粘り強く」行えるように指導しましょう。(参考資料:WORLD RUGBYトレーニング動画)
スキルのテーマ
・安全にラグビーをするためのスキルを身につけさせましょう。。(参考資料:安全推進情対策、U15ジュニアラグビー安全競技基準)
・様々なスキルにチャレンジさせましょう。
・コンタクトの指導については低さや強さを求めることの前に、まずは安全にラグビーができる正しい動作をじっくりと段階を踏んで指導しましょう。
・小学生年代で身につけたスキルを「より強く」「より速く」「より長く」「より正確に」「より粘り強く」行えるように指導しましょう。
S&Cトレーニングについて
・ラグビーの動作に限らず、様々な運動経験を積ませ、運動能力全般を開発しましょう。
・無理のない範囲で自重でのトレーニングを指導しましょう。(参考資料:U16~U18 JRFU S&C一貫指導動画)
・ウォーミングアップ、クールダウンを習慣化させるとともに自分で行う場合の方法を指導しましょう。
・正しい走り方を指導しましょう。
・「栄養」「睡眠」「運動」についてバランスの良い規則正しい生活習慣を身に付けさせましょう。